この広い世界で、2度目の初恋を
「樹のヤキモチは、激しいからなぁ!頑張れよ、添田!」
「ヤキモチ??樹くんが??」
人気者で、モテる樹くんが、なぜ私に??
何かの、間違いに違いない。
「私は、ヤキモチ焼かれるような女じゃないから…」
「なんで?添田は普通に可愛いよ?」
心底不思議そうな顔で聞く亮くんに、私は目をパチクリさせる。
「そんな……目、悪いんだよ、亮くん」
そう言うと、亮くんはチョイチョイと樹くんの腕を突く。
「なぁ樹、添田って天然??」
「悪く言えば、鈍い…だ」
なんだか、ヒソヒソと話している。
樹くんは、どっと疲れたようにため息をついた。
「うむ、樹が過保護になる理由も分かるなぁ」
「だろ?」
いつの間にか樹くんの仲間になっている亮くん。
でも……なんだか、いつもより賑やかだな。
一人が当たり前だったのに……。
今は、樹くんが傍にいてくれて、亮くんも話しかけてくれるようになって…。
前より少し、学校に来るのが楽しみになってる。