この広い世界で、2度目の初恋を

それでもやっぱり君が好き


また、あの日……。

8歳…小学3年生の夏、運命の王子様に出会った日の夢を見る。

『これね、私が作ったひまわりのとんぼ玉!!』

両手に乗せた、青色のガラスにひまわりの柄のとんぼ玉。

私の作った、世界に2つしかないとんぼ玉。

私と王子様を繋ぐ、唯一の……絆。


『へぇ……綺麗だな!』

目をキラキラさせて、私の手の中をのぞき込んだアナタ。

私の片割れを、王子様に差し出す。

大切なものを分け合いたいと思うほどに、それほどまでに王子様が大好きになってしまった。


『はい、王子様!』

王子様がそれを大事そうに受け取ったのを、今でも覚えてる。

それがたまらなく嬉しくて、笑ったんだっけ。


『王子様はやめろよ……。でも、ありがとな!!』

『ふふっ』

ありがとうって、その一言に舞い上がるような気持ちになった。

そう、私の忘れられない初恋。





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