この広い世界で、2度目の初恋を
「舵くん、探し物って……」
「何でも無いッスから!!」
慌てだす舵くんに確信する。
やっぱり、私のためにペンダントを探してくれてるんだ。
私はポケットからハンカチを取り出して、舵くんの前にしゃがみ込む。
「七海…先輩…?」
「ありがとう、舵くん」
土で汚れた頬をハンカチで拭って、髪についた葉っぱを取ってあげる。
すると、舵くんは驚いたように目を見開いて、私を見つめた。
「な、何を……」
舵くんは、口をパクパクさせている。
そんな舵くんを不思議に思いながらも、頭を下げた。
「ありがとう。本当は大丈夫なんて言ったけど、やっぱり不安だったの」
「そう…スカ……。俺にできることだったら、何でもやるッス。七海先輩のためなら……」
恥ずかしそうにそう言った舵くんに、私は笑みを返す。