この広い世界で、2度目の初恋を


「それにね、私は……樹くんに幸せになってほしいんだ。今まで、たくさん助けてもらったから……」

「………七海先輩は、本気でそう思ってんの?」

「え………?」


まるで見透かすような瞳が、真っ直ぐに私に向けられる。

ドキドキと、早鐘が鳴るように、心臓がざわつく。


「誰かのためなんて、俺は綺麗事だと思うけど。幸せなってほしいって、なら七海先輩は?」

「私………?」

「それで、七海先輩も幸せだって言うわけ?」

「私は………」


樹くんが幸せなら………。

そう言おうとして、舵くんの言葉を思い出す。

これは、綺麗事だ。

本当の私は、樹くんに振り向いて欲しいって……思ってる。

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