この広い世界で、2度目の初恋を


亮くんと話していると、不意に視線を感じた。

視線をずらすと、樹くんが私を見つめている事に気づく。


「っ………」


視線が合った瞬間に、樹くんがパッとそらす。

ーズキンッ

樹くん、もう私と目を合わせることも、嫌なのかな……。


確かに、樹くんからすれば、恩を仇で返すような私の行動に、怒ってもおかしくないくらいだ。


出来れば、また前のように……なんて、無理な話だよね。

私自身が、樹くんに頼りきっちゃう。

強くなるって言ったんだから、気を強くもたないと。


「七海先輩、亮先輩」


すると、教室の入口に舵くんが現れる。

最近は、こうして舵くんと亮くんの3人でお昼ご飯を食べるのが日課になってる。


早く終わると、舵くんはこうして教室まで迎えに来てくれるんだよね。




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