この広い世界で、2度目の初恋を


「…え?」


樹くんと同じような話って何だろう。

何か、大切なことを知ろうとしているような、胸騒ぎがしていた。


「亮先輩、詳しく話してくださいよ」

舵くんに言われて、亮くんはコクコクと頷く。


「樹にも、昔川で助けた初恋の女の子がいてさ」

「川で……」


ートクンッ

何でだろう、そんなわけないのに……。

こんな偶然が、本当にあるの??


「そんで、その子からもらったペンダントを今でも大切に持ってんだよ」


「それって……青い、ひまわりの柄が入った、トンボ玉……だったりして?」


私は、まさかと思いながら、亮くんに聞いてみる。

すると亮くんは目を見開いて、パチンッと指を鳴らした。


「おぉ!!よく分かったな!!」

「いやいや!本気で樹先輩が、七海先輩の初恋の人なんじゃないんスか??」


笑っている亮くんの肩を、舵くんが掴む。

私の心臓がは、ドキドキして、息をすることすら苦しくなっていた。



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