この広い世界で、2度目の初恋を


「そんな…まさかっ……」

だって、そんな奇跡みたいなこと、あるはずない。

期待して、失望するのが落ちだ。


「もう、8年も前のことだよ?そんな、偶然があるわけないよ……」


また会えるなんて、そんなの…。

そうであって欲しいって、ただの願望でしかない。


「でも、そのペンダントをずっと持ってたのは、また会えるって信じてたからじゃねーの?」


「舵くん………」


確かに、あの世界で2つしかないペンダントをあげたのも、肌身離さず持ってたのも、また会いたいって、きっと会えるって思ってたからだ。


「確かめてみよーぜ、七海先輩」


「あーでも、樹の持ってるペンダントと同じやつを、三枝も持ってんだよ」

「どういう事っすか?」


三枝さんが、樹くんとお揃いのペンダントを持ってる。

あ、だから……三枝さんが樹くんの初恋の人だって分かったんだ。
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