この広い世界で、2度目の初恋を


「まぁ、悩むには早いんじゃないかな?事実を知ってから、ゆっくりじっくり悩んだらいいさ」

「は、はい……」


なんだか、また占い師みたいな言い方……。

でも、先生が確かめてこいって言うんだもん、真実を知りたい。

本当に樹くんが、あの初恋の王子様なのか……。


私は、鈴原先生の言葉に背中を押されながら、舵くんと亮くんと一緒に、教室へ戻ることにした。


教室に戻ってくると、私の席には三枝さんがいて、樹くんと何かを話していた。


ーズキンッ


やだな……こんな時に、胸が痛くなるなんて。

今からこんなんじゃ、事実を知った時には私、即答してるかも…なんて。


すでに弱気になってると、ポンッと舵くんに背中を押された。


「か、舵くん??」

「なに弱気になってんだよ」

「ご、ごめんね、怖くなってきちゃって」


苦笑いを浮かべると、舵くんはもう1度ポンッと背中を押してくれる。



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