この広い世界で、2度目の初恋を


「俺は、七海先輩の味方だし、逃げたくなったら手ぇ引いてやるから、頑張って来れば?」

「舵くん……」


優しく笑う舵くんに、勇気が湧いてくる。

ありがとう、舵くん。

舵くんの存在は、いつも私に勇気をくれるよ。


その笑顔に励まされながら、私たちは、樹くんのところへと歩いていく。


「なー樹!!」

「あ?亮ちゃん?と……な、七海??」


私を見た途端、樹くんの表情が強ばる。

ズキンッ、ズキンッと…樹くんの表情に痛みが増した。


前は、普通に話せてたのに……。

ううん、私から突き放したんだもん、当然だよ…。


「樹、初恋の女の子からもらったペンダントって見せてもらえる?」

「あぁ?なんだよ、突然……」

「いいじゃん、見せろって!」

「変なヤツ」


意味わからないという顔をしながら、樹くんが、胸元からペンダントを取り出す。

それがやけに、スローモーションに見えた。




< 267 / 300 >

この作品をシェア

pagetop