この広い世界で、2度目の初恋を
「俺は、七海先輩の味方だし、逃げたくなったら手ぇ引いてやるから、頑張って来れば?」
「舵くん……」
優しく笑う舵くんに、勇気が湧いてくる。
ありがとう、舵くん。
舵くんの存在は、いつも私に勇気をくれるよ。
その笑顔に励まされながら、私たちは、樹くんのところへと歩いていく。
「なー樹!!」
「あ?亮ちゃん?と……な、七海??」
私を見た途端、樹くんの表情が強ばる。
ズキンッ、ズキンッと…樹くんの表情に痛みが増した。
前は、普通に話せてたのに……。
ううん、私から突き放したんだもん、当然だよ…。
「樹、初恋の女の子からもらったペンダントって見せてもらえる?」
「あぁ?なんだよ、突然……」
「いいじゃん、見せろって!」
「変なヤツ」
意味わからないという顔をしながら、樹くんが、胸元からペンダントを取り出す。
それがやけに、スローモーションに見えた。