この広い世界で、2度目の初恋を
「嬉しくて、怖くて、なんだか不思議な気持ちです……。これから私、どうしたらいいんでしょうか…」
どうすればいいんだろう。
樹くんが初恋の男の子だって分かったのに、樹くんには三枝さんがいて……。
私なんて、入る隙もないんじゃないか。
9年前の初恋なんて、樹くんにとっては過去のことだ。
「どうしたらいいか…じゃなくて、添田さんがどうしたいかが大切なんだよ」
「どうしたいか……?」
私、どうしたいんだろう。
ううん、そんなの分かってるのに、見ないふりをしてる。
私は、樹くんに気づいて欲しい。
知って欲しいんだ、好きだってこと。
「七海先輩!」
「あっ……舵くん」
「突然走り出すから、心配した」
「ご、ごめんね、つい……」
私を追いかけてくれた舵くんに、頭を下げる。
私が小さく笑みを浮かべると、舵くんはホッとしたように息をつく。