この広い世界で、2度目の初恋を


「七海先輩、三枝先輩にペンダント返してもらおう」

「あ………」

そういえば、三枝さんが樹くんと同じペンダント持ってるってことは、それって私のペンダントってことだ。


「忘れてたみたいだな」

「ごめんね、衝撃でそこまで考えられてなかった…」


でも、どこで私のペンダントを…?

私、肌身離さず持ってたのに……。

そう思って、一つだけ思い当たる節があった。

三枝さんにぶつかった時……。

あの、プチッて音……ペンダントの紐が切れた音だったんだ。


「七海先輩、その顔じゃ午後は保健室にいた方がいい」

「そんなに、ひどい顔してる?」

「わりと」

「あはは……そうするね」

たくさん泣いたから、目が腫れてるかも。

ここは舵くんの言う通り、保健室にいさせてもらおう。

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