この広い世界で、2度目の初恋を


「放課後、三枝先輩を引き止めるように亮先輩に言っといたから」


「うん、何から何まで……ありがとう、舵くん」

「……俺に出来るのは、このくらいしかねーから」


寂しげに笑う舵くんに、罪悪感が込み上げる。

だけど、ちゃんと受け止めよう。

舵くんの方が、辛いんだから……。


「舵くん、私頑張る……」

「ん、頑張れ」

舵くんは笑ってくれた。

そして、放課後迎えに来ると言って保健室を出ていく。

放課後、三枝さんにペンダントを返してもらう。

それで、伝えるんだ……樹くんに、私の気持ち。

もう逃げたり、迷ったりせずに、ちゃんと伝えよう、そう心に決めた。




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