この広い世界で、2度目の初恋を
「え、添田さんがなんでここに?」
「三枝さん、話が……あるんだ」
私は、驚いている三枝さんの前に立つ。
すると、三枝さんは私から視線をそらした。
「私、添田さんと話すことないんだけど」
「……ペンダント、返して欲しいんだ」
「っ……なんのこと??」
罰が悪そうな顔をする三枝さん。
私は、どうしても分かってほしくて、ゆっくりと頭を下げた。
「私の、大切なものなの、お願い……」
「っ……何よ、私を疑ってるの!?」
私は、怒ったように声を荒らげる三枝さんを真っ直ぐに見つめる。
「疑ってるとか、そういうんじゃないよ。嘘をついたままでいたら、三枝さんだって苦しいはずだよ」
「っ……返してもいいけど、樹くんは渡さないから」
渋々、三枝さんはペンダントを外して、私に渡す。
そして、そのペンダントを両手で受け取る。