この広い世界で、2度目の初恋を


「ありがとう……」


あぁ、お帰りなさい。

私の大切な、宝物。

もう絶対に無くしたりしないからね。

2度と無くさないように、ペンダントを首にかけた瞬間……。


「馬鹿じゃないの、あんたなんて、消えちゃえばいいのよ!!」

「えっ……」


三枝さんの声が聞こえたのと、ドンッという強い衝撃が体に襲いかかったのは、ほぼ同時。


「七海先輩!!」

「添田!!」


舵くんと亮くんの悲鳴に近い声が遠くに聞こえた気がした。

私の体は、水のはられたプールへと落ちていく。


ーバッシャーーンッ!!


強い衝撃が体を襲う。

ーブクブクブクッ……。


突然プールに落ちたせいで、満足に息を吸えずに空気を吐き出してしまう。


早く、上がらなきゃ!!

そう思って、足をばたつかせた瞬間。

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