この広い世界で、2度目の初恋を


「七海、俺ずっと忘れられなかった」

「私もだよ……」


私は、あの日の初恋に、いつも救われてた。

どんなに辛い恋をしても、また恋する気持ちを教えてくれたのは、樹くんとの記憶。


「私……樹くんに、伝えたい……こと、ある…」

「俺から言わせろよ」


樹くんは、大切なものに触れるように、優しく私の涙を指で拭う。

そして、私の大好きな太陽の笑顔を浮かべて…。


「好きだ、俺のお姫様」

「っ………ふふ、何それ……」

「仕方ねーだろ、もし会えたら、絶対にこう言うって、決めてたんだよ」


照れくさそうに頬を赤く染める樹くんに、私は笑う。

笑ったりしてごめんね……だけど、すごく嬉しかったよ。



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