この広い世界で、2度目の初恋を
《Side.樹》やっと見つけたお姫様
「七海、もう絶対お前を傷つけさせねーからな」
俺は、腕の中でスヤスヤと眠る七海を、強く抱きしめる。
俺が、この手で守ってやるよ。
あぁ、あったけーな……七海の体温を感じる……。
ちゃんとここにいるんだと、安心した。
「本当に心配したぞ、添田無事みたいだな!!」
「七海先輩は無事ですか!?」
駆け寄ってくる亮ちゃんと舵。
2人に俺は笑みを浮かべて頷いてみせた。
「大丈夫だ、今疲れて眠った」
亮ちゃんにそこで話を聞いてろって言った時、何をする気かハラハラしてたが…。
七海がペンダントの持ち主だと知った時、驚いたのと同時に、納得していた。
「七海は、あの子と何度も重なって見えてたのにな…」
今じゃ、同一人物にしか見えない。
プールに突き落とされたのを見た時は、どうしようかと思った。
生きた心地がしなかったんだぞ。