この広い世界で、2度目の初恋を
「わ、私……こんなつもりじゃ…っ」
すると、プールサイドで立ち尽くす三枝がいた。
「三枝、お前やりすぎだぞ……」
「一歩間違えば、七海先輩が死ぬところだった」
亮ちゃんと舵が、責めるように三枝を見る。
それに怯えたように三枝が後ずさった。
たぶん、本当に七海をこんな目に遭わせる気はなかったんだろう。
ただ、許されることじゃない。
「七海の目が覚めたら、ちゃんと謝れ、三枝」
「い、樹くん……」
「今回は目を瞑る、でも……次はねーぞ。俺が、全力で七海を守るからな」
念を押すように三枝を見ると、三枝はブワッと涙を流した。
そして、何度も「ごめんなさい」と言って、その場から駆け出す。