この広い世界で、2度目の初恋を
「なぁ樹、アレでいいのかよ!?」
「亮ちゃん……いいんだ。……七海ならたぶんこうした」
俺だって、怒りで頭がおかしくなるかと思った。
だけど、七海は、三枝がペンダントをとったのに、ちゃんと返してって言葉で説得しようとした。
たぶん、七海は、それを責めるとか、そんな理由で三枝と話そうとしたわけじゃない。
「……七海は、十分強い女だよ。俺なんかより、ずっとな」
弱くたっていいなんて、言ったけど、これじゃあどちらが守られてるのか、分からない。
七海の体を横抱きにして立ち上がる。
「樹先輩、七海先輩の事、幸せにしないと、許さないッスよ」
「おぉ、任せとけ、舵」
コイツ、絶対七海の事好きだろ……。
でも、譲ってやるほどお人好しでもない。
俺は、七海だけは……誰にもやれねー。