この広い世界で、2度目の初恋を


「保健室に連れてく」

「おー!着替えさせないと、たいぶ…す、透けてるしな!」


そう言った亮ちゃんの顔は、明らかに赤い。

俺は亮ちゃんをキッと睨みつけた。


「見んじゃねー、プールに沈めっぞ」


七海のこと、変な目で見やがったら承知しねー。

つか、マジ透けすぎだろ。

ワイシャツから何やら見えてはいけないものが……。

俺は、隠すように強く抱き込む。


「ヒィッ、舵どうしよう!!樹がマジギレしてる!!」

「あたりまえッスよ、つか…俺が沈めますよ?」


亮ちゃんが舵くんにヒシッと抱きつく。

それを引き離しながら、舵が亮ちゃんを睨んだ。


「な、舵もかよ!!お前ら怖ぇってー!!」

「自業自得だろ」

「口は災の元ッスね」


七海の事になると、俺と舵のシンクロ率は半端ない。

舵と顔を見合わせると、ブッと吹き出した。
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