この広い世界で、2度目の初恋を
「七海が目覚めたらみんなで帰ろーぜ!」
「そうだな」
亮ちゃんの提案に俺は頷く。
七海を抱えた俺の両脇に、舵と亮ちゃんがいる。
なぁ、七海。
お前はもう1人じゃねーから。
俺がいて、面白くないが、亮ちゃんがいて、舵がいる。
だから、七海、早く目覚ませよな。
皆がお前の目覚めを待ってるから。
もちろん、俺が一番だけどな。
「好きだ、七海……」
全身で、心から七海を求めているのが分かる。
人って、家族以外の人間を、こんなに大切に思えるものなんだって、七海と出会って知った。
お前はまだまだ知らないだろーが、俺、お前が好きすぎてマジで馬鹿になりそうなんだかんな。
「おいおい、教えてやるか」
俺の9年分の想い、お前に伝えるから。
覚悟してろよ、俺のお姫様。