この広い世界で、2度目の初恋を


「先生、教室に戻りますね」

「いってらっしゃい」

そう言って保健室を出ようとした瞬間ー。


「寂しいような、嬉しような……ね。お幸せに」


そんな鈴原先生の声が聞こえたような気がしたのは、私の気のせい?


不思議に思いながら、樹くんに会いたい気持ちの方が勝って、振り向くことなく教室にへと向かった。


廊下を歩いていると、階段のすぐ傍で声が聞こえた。


「性格ブス!」

「添田さんのことプールに突き落としたらしいよ」

「こわぁ、人殺しかよ」


なにやら騒がしい声が聞こえる。

不思議に思いながら視線を向けると、そこには…。


「いっつも上から目線でムカついてたのよ」

「このぶりっ子!!」


そこには、女子達にイジメられている三枝さんがいた。


あれ、しかもイジメてるのって、三枝さんがいたグループの女子達だ。



< 288 / 300 >

この作品をシェア

pagetop