この広い世界で、2度目の初恋を
「友達なんて名ばかり。良いとこも悪いとこも含めて好きになれないなら、仲良くなんてしなきゃいいんだよ」
「なっ……」
私の言葉に、圧倒されて、誰も何も言わなくなった。
「そもそも、プールに落ちたのは、ちょっぴり言い合いになっただけだし、私と三枝さんの問題だから。ね?三枝さん」
もう一度三枝さんを見ると、三枝さんはポロポロと泣いていた。
「ごめんなさい…ごめんね、添田さんっ」
「え……??」
まさか謝られるなんて思っていなくて、私は慌てる。
「私、ひどいことばっかりして……っ、なのに、こんな風に助けてくれたの、嬉しかった」
「三枝さん……」
「本当に、ありがとう」
初めて、三枝さんの本当の笑顔を見た気がした。
それが嬉しくて、私まで笑顔になる。