この広い世界で、2度目の初恋を
「当然だろ!他に誰がいるんだよ」
すると、男の子は困ったようにそう言った。
男の子の言い方はとてもぶっきらぼうだった。
なのに、私を助けてくれた男の子が、私の王子様なんじゃないか、なぜかそんな運命を感じて目を輝かせる。
「ありがとう、王子様」
「……は、はぁ!?」
すると、王子様は素っ頓狂な声を上げた。
そんな王子様に私はクスクスと笑って、掴まれた手を握り返すと、グイグイと陸へと引っ張る。
そして、2人で陸に腰掛けて、足だけを川へ浸けた。
「今日はね、お父さんとお母さんと来たの。王子様も?」
「王子様って…それ、やめてくれよ。まぁ、そーだよ」
「そっか、また会えるかな??」
どこの誰かも分からない王子様に、また会えるのかな。
私は、初対面の王子様に、一目惚れしてしまったんだと思う。
「はぁ?無理だろ……」
「そ、そんなぁ……私、王子様の事好きになっちゃったのに」
「はぁ!?」
私の告白に、王子様は目を見開いた。
私は本気で王子様に恋してしまっていたから、必死だった。
どうしたら私の傍にいてくれるだろって、幼い頭でたくさん考えたんだ。