この広い世界で、2度目の初恋を


「あっ!!」

そして、私なりに王子様とまた出会える名案を思いついた。

「なんだよ?」 

怪訝そうな顔をする王子様に、私はポケットから2つの青いとんぼ玉を取り出す。

「これね、私が作ったひまわりのとんぼ玉!!」

両手に乗せた、青色のガラスにひまわりの柄のとんぼ玉。

これは、家族がとんぼ玉工房に連れてきてくれた時に作った世界に2つしかないとんぼ玉だ。

「へぇ……綺麗だな!」

王子様も、目をキラキラさせて、私の手の中をのぞき込む。

私は、とんぼ玉を一つ手に取り、王子様に差し出す。

「はい、王子様!」

ニコッと笑ってそれを差し出すと、王子様はそれを大事そうに受け取る。

「王子様はやめろよ……。でも、ありがとな!!」

「ふふっ」

私たちは、とんぼ玉を手に握りしめながら、笑みを交わす。


8歳…小学3年生の夏。

私は……運命の王子様に出会った。

これが、私の忘れられない初恋。




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