この広い世界で、2度目の初恋を



「そんなに気を遣わなくても大丈夫。いつもの事だし、宇佐見くんも疲れちゃうでしょ?」

「気遣ってんのは添田な。俺はしたくてやってる事なんだから、いーんだよ」

「宇佐見くん……」

したくてやってる事……。

そんな言い方をしてくれるのも、私に気を遣わせない為なんじゃないかな。

どこまでも優しい宇佐見くん。

初めは最悪な席だと思っていたこの席を、良かったと思ってる自分がいる。

隣に宇佐見くんがいるだけで、安心できた。

「今日も保健室で昼飯食うだろ?」

「うん」

「んじゃあ、購買行ったらすぐ行く」

「うん、待ってる」


そういえば、宇佐見くんってば相変わらず昼ごはんも一緒に食べようとしてくるけど…。

私なんかに構ってて大丈夫なのかな…。

少し不安になったけど、宇佐見くんと話せなくなるのも寂しい。

だから、宇佐見くんが離れていかないうちは、傍にいてもいいのかな…。

そんな事を思いながら、宇佐見くんの顔を見つめるのだった。


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