この広い世界で、2度目の初恋を
『……変わらない世界に絶望してるだけじゃ、何も変わらねーんだよ』
沖田先生の授業に乗り込んだ時に、宇佐見くんがそんな事を言ってたっけ。
『傍にいてやっから、抗え。でねーと……俺が、見ててむしゃくしゃする』
私がまたここで何も言わずにやられ続けたら……。
宇佐見くんは、傷つくのかな……。
私は、そんな宇佐見くんを見たくない。
なら、私は……。
「それ、貸して」
「は、はぁ!?」
突然、女子からバケツを奪い去った私を、そこにいた全員が呆然と見つめているのが分かる。
私は無言で水をバケツに溜めると、勢い良く女子達に振りかざした。
ーバッシャァァーーン!!
中の水を女子達に勢い良く浴びせる。
私と同じようにビチョビチョになる女子達を見て、笑みを浮かべた。
「お互い様って事で」
そう言い残して、女子トイレを後にする。
すると……。