この広い世界で、2度目の初恋を


『……変わらない世界に絶望してるだけじゃ、何も変わらねーんだよ』

沖田先生の授業に乗り込んだ時に、宇佐見くんがそんな事を言ってたっけ。


『傍にいてやっから、抗え。でねーと……俺が、見ててむしゃくしゃする』


私がまたここで何も言わずにやられ続けたら……。

宇佐見くんは、傷つくのかな……。

私は、そんな宇佐見くんを見たくない。

なら、私は……。


「それ、貸して」

「は、はぁ!?」


突然、女子からバケツを奪い去った私を、そこにいた全員が呆然と見つめているのが分かる。

私は無言で水をバケツに溜めると、勢い良く女子達に振りかざした。


ーバッシャァァーーン!!

中の水を女子達に勢い良く浴びせる。

私と同じようにビチョビチョになる女子達を見て、笑みを浮かべた。


「お互い様って事で」

そう言い残して、女子トイレを後にする。

すると……。

< 46 / 300 >

この作品をシェア

pagetop