この広い世界で、2度目の初恋を


「ご、こめ……う、宇佐見くんちょっと痛い」

Yシャツだし、生地が硬いから……。

「あ、わ、わり……」

今度は優しくて涙を拭ってくれる宇佐見くんに、笑みを浮かべる。

「ありがとう、宇佐見くん」

「やっぱ笑ってた方がいいな、添田は」

「え?」

「いや、こっちの話」

そう言って焦ったように頭をガシガシと掻く宇佐見くん。

宇佐見くんは、やっぱり他の人とは違う。

優しくて、私を偏見の目で見なかった。

私は、凍りついた心が溶けていくのを感じていた。



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