この広い世界で、2度目の初恋を


そして、「ここの文法のところから始めるからなー」と、現代文の授業が始まる。

その瞬間、やけに隣から視線を感じた。

恐る恐る隣を見ると、さっきまで私に見向きもしなかった宇佐見くんが、こっちを見つめていた。


「っ!?」 


ギョッとして私は慌てて教科書へと視線を戻す。

なんだ、なんだ、なんだ!?

どうして宇佐見くんが、私の事を見てるの!?

いや、でも勘違いかもしれないし……。

私の席は窓際だから、その後ろの窓から見える青空を見ていたんじゃないか。

うん、そうに違いない。

そう自分に言い聞かせて、教科書を穴が開くほど見つめる。

それでも、隣からの熱い視線は消えない。

一体何だって言うんだ、正直迷惑。

私が何をしたっていうの、ずっと見られてたら落ち着かないじゃん。

困惑と怒りがフツフツと沸いてくる。



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