この広い世界で、2度目の初恋を
「樹お兄ちゃん、一緒に遊ぼうよ!!」
すでに宇佐見くんに懐き始めている七星に、私は苦笑いを浮かべる。
七星、さっきまであんなに宇佐見くんを怖がってたのに…。
子供って、本当に自分に優しい人が分かるんだ。
私も、あんなに誰かと関わる事を避けてたのに、いつの間にか宇佐見くんの傍にいたし…ね。
「七星、今日はもう遅いからね、樹お兄ちゃんの遊ぶのは、また今度」
「おに…っ……!?」
「え……?」
七星をなだめようとしている私の横で、宇佐見くんが変な声を上げた。
私は驚いて宇佐見くんの顔を見上げる。
すると、宇佐見くんは慌てたように私から視線を逸らした。
「どうしたの、宇佐見くん」
「いや……篠田が急に樹お兄ちゃんとか言うから、焦った」
「え、ごめんね!!七星をなだめようと思ってつい…」
「いや、嬉しかったっつーか……って、何言ってんだ俺。…わり、何でもねー」
自己完結する宇佐見くんに首を傾げていると、七星が私のスカートをクイッと引っ張る。