この広い世界で、2度目の初恋を
「あ、ごめんね七星」
七星の事を置いてきぼりにしてしまっていた。
私は慌てて七星の頭を撫でる。
「七海お姉ちゃん、樹お兄ちゃんと遊べない?」
「七星、もう宇佐見くんの事気に入っちゃったんだね」
必死な七星の瞳に、私はくすくすと笑ってしまう。
すると、宇佐見くんが七星の前にしゃがみ込んだ。
「なら、遊ぶか七星」
「「え??」」
宇佐見くんの一言に七星と同時に驚きの声を上げる。
すると、宇佐見くんは私を見上げた。
あ……宇佐見くんに見上げられるのって、不思議な感じがする。
いつも宇佐見くんに見下されてたし、少しだけ距離が近づいたように思えた。
「明日、土曜日じゃん?七星つれて一緒に出かけねー?」
出かけねー?って……。
宇佐見くん、私なんかと出かけてくれるの?
それも、七星まで連れて……。