この広い世界で、2度目の初恋を
「宇佐見くん、迷惑じゃない?」
私は嬉しいけど、何から何まで迷惑をかけてないか心配だ。
「俺はむしろ添田と七星と出かけてぇから」
「そ、そっか……なら、よろしくお願いします」
サラッととんでもない事を言う宇佐見くんに顔が熱くなる。
私は軽く頭を下げて、嬉しさに口元がほころぶのを感じていた。
休みの日も宇佐見くんに会えるなんて、嬉しいな。
「ハハッ、添田って律儀だよな。んじゃ決定な、七星はどこ行きてーの?」
「僕、水族館に行きたい!!」
迷わず答える七星に、私は苦笑いを浮かべる。
七星は、水族館が大好きなんだよね…。
昔から車とかロボットのおもちゃより、魚の図鑑を嬉しそうに見てたのを思い出す。
「へぇ、見たい魚でもいんのか?」
「うん!!サメ、サメが見たい!!」
「………添田、サメって水族館にいるのか?」
七星と話していた宇佐見くんが、助けを求めるように、私を見上げた。
その困った顔に、なぜだか、トクンッと胸が高鳴る。
やだ、いつも私が頼ってばかりなのに、宇佐見くんから頼られると、ドキドキしてしまう。
変な感覚……私、どうしちゃったんだろう…。