この広い世界で、2度目の初恋を
この気持ちに名前をつけるなら
次の日、私は体を強く揺すられて目を覚ます。
「うぅ……」
心無しかお腹も重くて苦しいような……。
何事かと目を開けると、すでに私服に着替えた七星が私のお腹の上にドカッと座っている。
「七海お姉ちゃん、早く起きて!!」
「ん……七星?」
七星は、ニコニコと笑いながら、私をベッドから起こそうと手を引いてくる。
《明日10時に迎えに行くから》
昨日宇佐見くんがくれたメールでは、待ちあわせは10時だと思ったけど……。
時計を見ると、午前8時半、時間はたっぷりあるのに、七星ってば、待ってられなかったんだ。
「七星、待ちあわせは10時だよ」
「もう行きたい!!樹お兄ちゃんも来ないかな!?」
「樹お兄ちゃんも10時にくるから、一緒に準備しようね」
「はーい!」
七星は私の隣で肩掛け鞄を取り出す。
そこには、セカイの魚図鑑だけがはいっている。
「七星、ハンカチとティッシュはー?」
「あっ!!」
私に言われてハンカチを鞄にしまう七星を横目に、自分の支度も始めた。