この広い世界で、2度目の初恋を
白スキッパーシャツにカーキのフレアスカートを履いて、少し女の子らしさを意識してみる。
「わぁ……無言の気合が滲み出てる…」
ちょっと意識しすぎかな?
でも、相手は宇佐美くんだし…。
隣を歩くんだし、ちゃんとおしゃれして歩きたい…なんて、どうしてそんな事思うのか、自分でも不思議だけど。
「七星、準備できた?」
「うんっ!」
七星は肩掛けかばんをかけでウズウズした様子で私を見上げる。
ははっ…目がキラキラしてる。
本当に楽しみでしょうがないって顔。
私も、楽しみなのは一緒だから、気持ちはわかる。
「楽しみだけど、朝ごはんは食べてこうね」
「はぁい!」
私は七星の手を引いてリビングへ向かう。
「七星も連れてって大丈夫だったの?七海のお友達もいるんでしょう?」
リビングに入ると、お母さんが心配そうに尋ねてくる。
「うん、七星も一緒に3人で出かけようって言ってくれたの」
「それならいいけど…。それにしても、七海が学校の友達と遊びに行くなんて、久しぶりじゃない?」
ードキンッ
胸が、大きく跳ねた。
確かに、学校での私は友達なんてよべる人…いなかったし。
なにせ、話すだけで食われるなんて噂までたってるから、誰も私に近づかない。