この広い世界で、2度目の初恋を


「うん、そうだね……」

そっか、久しぶりに学校の人と出かけるんだ。

そう思うとなんだか、楽しみが増した気がした。

朝食を食べ終えて、9時55分、私と七星は、家の前に出る。

「サーメ、サーメ!」

「七星、サメのどこがいいの??」

もっと可愛い魚がいるのに…。

あえて凶悪な魚を好きになるなんて、不思議。

私は、あの映画にもなったカクレクマノミの可愛い小魚が好きだなぁ。

「カッコイイんだもん!」
 
「そっか、七星は男の子だもんね」

男の子ってミニカーとか、形がカッコよくて強いものが好きだよね。
 
そう思うとこんなに小さくて可愛い七星も、いつかは宇佐美くんみたいに男子になっちゃうんだろうな。

そうしたら、今みたいにお姉ちゃんって、呼んでくれなくなったりして…。

「それはそれで寂しいかも」

「何がだ?」

「七星が大人になっちゃうこと……って、わぁ!!」

独り言に返事が返ってきたと思ったら、宇佐美くんが目の前にいた。




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