この広い世界で、2度目の初恋を
「うす、添田、七星」
片手を上げる宇佐美くんは、ステンカラーコートにVネックの白いニットに黒いスキニーパンツを履いている。
モノトーンで揃えられた服装に、どこか大人っぽい色気を感じさせた。
カッコイイ……。
人気者なだけあるよ、宇佐美くん。
私、今思えば、人気者の宇佐美くんと遊びに行こうとしてるんだ。
お、恐れ多い……。
「添田は、なんかいつもと雰囲気違うな…」
「えっ……」
マジマジと見つめられて、私は顔が熱くなる。
やめてほしい、そんなに見つめるの。
そんなに見るほど綺麗な顔立ちでもないし、かと言って可愛いわけでもない。
噂とか、違う意味で視線を集めることはあるけど、こんな風に純粋に見つめられるのは……慣れてない。
「やべ、可愛い……」
「えっ??」
ボソッと言った宇佐美くんの声は小さくて、聞き取りにくかったけど…。
……確かに届いた。
可愛いって……宇佐美くんが言ってくれた。
やだ、恥ずかしさと嬉しさで、今すぐ発狂しそう。