この広い世界で、2度目の初恋を


「急にいなくなるから心配しただろ!」

「あ……ご、ごめんね」

「無事ならいいけどよ」


ホッとしたように笑みを溢す宇佐美くんにトクンッと胸が高鳴る。

なんだろう、宇佐美くんを見てると、ドキドキする。

今だけじゃなくて、最近ずっとだ。


「ボーッとしてどーしたよ?」

「ううん、カクレクマノミいないかなーって思って」

「はぁ?カクレクマノミ??」


まさか、初恋の王子様の事思い出してました…なんて、恥ずかしくて言えないよ。
 
とっさにごまかすと、宇佐美くんは呆れたようにため息をついた。

「僕知ってるよ!!映画に出てたやつだよね!!」

「うん、そうだよ七星」

ピョンピョン跳ねる七星に、あたしは笑う。

「オイオイ、添田まで迷子になるなよな。ほら、こうしててやるから」

「えっ……」

宇佐美くんかわ、私の手をとって歩き出す。

えっ、宇佐美くんどうして……。

わぁ……は、恥ずかしいよ!!

内心叫びながら、戸惑いの視線で宇佐美くんの背中を見つめる。




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