この広い世界で、2度目の初恋を


「しかたねーな、許してやる」

「はは、ありがとう…」

不敵に笑う樹くんに、私は苦笑いを浮かべる。

許してくれてよかった……。

呼び捨てを強要されたら 恥ずかしさで燃え上がって、灰になっちゃうところだったよ。

「うめーな、ホットドッグ」

「うん、本当だね」

外で食べているからかな?

それとも、隣に樹くんがいるからなのかな?

いつもよりご飯が美味しく感じる。


「そういえば樹くん焼きそばパンじゃなくていいの?」

私はくすくす笑いながら尋ねる。

「オイ、俺だって焼きそばパン以外のものも食べるぞ」

「なんか……ふふっ、やっぱりホットドッグだと違和感がある」


本当に懲りないほどに焼きそばパン食べてたからかな。

私の中では、樹くんイコール焼きそばパンになってる。




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