残念な姉
「何やってるの~ん?」

ビクゥ!

「ま、ママ…」

別に悪い事をしている訳じゃないのに
不意に声を掛けられて体が2センチ伸びた


「あら~ん…萌ちゃん…今から…銀行強盗でも…するの…ん?」


振り返った私の姿を見て母は顔をひきつらせた

「いや…勇者」

水中ゴーグルに鼻まで隠れるマスク

確かに強盗犯に見えても勇者には見えない

「勇者…?」

「おねぇが3日部屋から出てこんねん」

母は頬に手をあててうーんと唸って

「3日…それは危険だわねん」

と目を細め呟く
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