ひとナツの恋
「ごちそうさまでした」
「お粗末様です。
野菜ばかりだったけど…良かったかい?」
「全然平気、おばあちゃん家の野菜甘いから結構好きだよ」
「そうかい、それは良かった」
なすと枝豆の炒め物と生のトマト。
トマトは甘くて冷たくて美味しかった。もちろん、炒め物も美味しかったけど。
「なっちゃん、お願いがあるんだけど、カイトの散歩に行ってくれないかい?
ちょっと近所に野菜を配りに行きたいんだけど」
「ああ、いいよ。歯磨きしたら行ってくるね」
「ありがとう、ルートは多分カイトが覚えてると思うから」
「うん、分かった」
シャコシャコと歯磨きを終わらせカイトの散歩に出掛けた。