ひとナツの恋





やっとの思いで日が暮れた。


ケータイの画面にば20:12゙の表示。


「そろそろやるか、まずは開始の合図としてでっかい打上花火だろ」


「行け!!点火係」

「…って俺かよ」

「そりゃあ、言い出しっぺだろー」



…あーうん。まあ、だいたい俺だって予想はついてたけどな…



カチッとチャッカマンで火をつける。



「急げ急げ!!海渡」


少し遠くで俺を呼ぶみんな。

「海渡、早くー!!」



って可愛い声も聞こえたから、ちょっとだけスピードも上がった気がした。


「おかえり、海渡」

冗談っぽく夏が嬉しいことを言うから俺もただいまって冗談っぽく返した。



ヒュー…


「まあ、花火はこれからだけどなー」



俺のその言葉と被って一発目の打上げ花火は夜空へと上った。




「スッゴーい、きれい…」


「花火大会の始まりだぁあー!!」





< 26 / 42 >

この作品をシェア

pagetop