ひとナツの恋
そっから手持ち花火とネズミ花火に片っ端から手を付けていった。
線香花火、噴き出し、打上は後半のお楽しみと言うことで。
「ちょっ、こっち向けんな!!危ないわ!!」
「見てみろよ!!綺麗じゃね?」
巧も智也も両手持ちして走ったり振り回したりして火花を散らせていた。
「バカだなぁあいつら。ガキかよ?」
「でも楽しそうじゃん」
夏はそう言いながら片手にケータイを持ち、花火をやっていた。
「何?写真撮ってるの?」
「ん?動画撮ってるの。想い出。ずっと、いつでも鮮明に思い出せるように」
「そか。じゃ後で俺らにも送ってちょうだい?」
「うん分かった」
画面を覗いていた目は俺をとらえてケータイを向けた。
--カシャ--…