ひとナツの恋
「おい、そこ!!イチャついてんじゃねえよ!!」
ちょっと遠くで走り回ってた巧と智也が叫びだした。
「うっせぇ、イチャついてねぇわ!!」
「てか、もうすぐ手持ち無くなるんだけど?噴き出しと打上やる?」
俺の否定を華麗にスルーした隼人。
「お、おおお…おぅ。そうだな」
「はい、任せた点火係」
「お、おおお…任せろや!!」
「頑張れ海渡」
「おう、今綺麗な花火見せてやっからな」
「うん」
「…キザなこと言ってんじゃねぇよ、お前が造ったわけでもねぇのに…」
隣でボソッと呟いた隼人を睨み付けた。
シュー…
小さい音が徐々に大きくなっていく。
火花も飛び散ってカラフルに色を変える。
「おぉ…」
はしゃいでいた二人も足を止める。
「きれい…」