ひとナツの恋
私は何も言えないでただただ見ていた。
薬を塗られて包帯が巻かれるところを。
「大丈夫?春菜…」
「………」
春菜はもう落ち着いたようで他の子の言葉にも反応を見せずに、じっと手当てを見ていた。
春菜はしばらく入院。
私は毎日お見舞いに行った。
だって、私が悪いから。
毎日謝ってたの。
「ホントごめん、春菜。足…まだ痛い…?」
「ううん大丈夫だよ、痛みはだいぶましになったし」
「そっか…」
でも、春菜は本当にいい子だったから、いつもフォローしてくれたんだ。
そんなあるときのことだった。
いつものように病室にいたらちょうど看護師さんがやって来たの。
「包帯換えますね。
あら、こんにちは。なっちゃん…だったかしら?」
「え?はい…」
「いつも春菜ちゃんのお見舞いに来てくれてるわよね?
春菜ちゃん、いつも喜んでるのよ」
「え…?」