ひとナツの恋
「ごめん…なさい」
「土下座しなよ!!なっちゃん」
「そんなことしなくていいよ」
謝る私に責める三人と、それをなだめる春菜。
クラスのみんなはただの傍観者。
…からどんどん野次が飛ぶようになった。
「なっちゃんひどーい」
「春菜じゃなくてなっちゃんが行けばよかったのにー」
「夏、ありえねー」
「………」
もう、教室に居れなかった。
私は行くあてもなく外に飛び出した。
涙は止まらなくて、久々に思い切り走ったから何度も足がもつれそうになった。
その日の夜家に帰って泣いた。
私には泣く権利なんか無いのに止まらなかった。
鞄は学校に置いたまま、親に心配をかけてしまった。
またそれも申し訳なく思った。