ひとナツの恋






「ワンワンワン!!」


「お?犬じゃん!?かわいー!!」

「ゴールデンレトリバーじゃん!!」


彼らがカイトに気付き、わしゃわしゃする。


その声は聞こえたんだけど、一人が私を指差して回りの人に何か言っていたのは聞こえなかった。



「カイトっ!!」



走って、やっと追い付いた。


「はぁはぁ…す、すみません、うちの犬が」

「このワンコ、ねぇちゃんの犬なの?可愛いな、人懐っこくて」

茶髪で短髪の男子がわしゃわしゃしながら見上げてきた。


胸ポケットに゙N゙の刺繍が入ったワイシャツと黒のズボンを身に付けている。



「はい、リード。気を付けてな?」

リードを渡してくれたのは黒髪でちょっとパーマをかけた感じの男子。

「ありがとうございます、行こ?カイト」


カイトのリードを引っ張って帰ろうとしたのにカイトは動かない。

ちょっと、早く行こうよ。あんまり関わりたくない人種。



「このワンコ、カイトって言うの?」

「え、はい…そうですけど…」


なんか、このめっちゃ金髪の人に話しかけられるんだけど…





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