ひとナツの恋
「俺もカイトって言うんだ!!
海を渡るって書いて海渡。よろしくな?
君の名前は?なに?」
この海渡って人は屈託のない笑顔で笑った。
…不覚にもキュンてしてしまった。
「おいおい、海渡、ナンパかよ?チャラいな」
「は?ちげぇし、ナンパじゃねぇし、変なこと言うなし」
「ぎゃはは、海渡赤くなってやんのー」
「ワンワン!!」
「ほら、カイトにまで笑われてるぞ?」
「なっ…!!お前まで笑う必要ねぇだろ!?」
なんか、カイトにまで笑われてるこの人を見てたら私までおかしくなってきちゃった。
「ふふ…あははっ…!!」
「……なんだ、笑えんじゃん…」
「え?」
「そっちの方が可愛いよ」
「うん、ずっと帰りたそうな顔してたしね…?」
「そ、そんな顔してました…?」
「うん、してた」
「それなら…ごめんなさい、不快にさせちゃいましたよね…?
人見知りで、私の学校は真面目な人ばっかりで、あなたたちみたいに髪染めたりしてる人いないから、ちょっと苦手意識が…」