ひとナツの恋
ねぇ海渡?私、あなたに逢えて良かった。
人生できっと、一番の想い出だよ。
5人と一匹で海に入って、全身びしょ濡れで髪の毛が軋んじゃっても、砂で顔も足も汚れても。
絶対、最高の想い出。
「お帰りなっちゃん、遅かったねえ。
あれ?そのジャージ…」
「ただいま。
あ、うんちょっと海辺で友達できて遊んでた。
濡れちゃったからジャージ借りてきたんだ」
「そうかそうか、じゃあ近いうちにお返ししないとねえ。…楽しかったかい?」
楽しかった…?
うん、めっちゃ楽しかった。
「スゴい、楽しかったよ!!」
「そうかい、それは良かった。
先にお風呂に入るかい?」
「うん、入る」
「じゃあ沸かしてくるからね、ちょっと待っててね」
「うん、ありがとう」
おばあちゃんがお風呂を沸かしている間に左手に書かれた11桁の数字をケータイに入れてワンギり。