透明な子供たち




いつものように家に帰宅した華那子は、おやつを食べようと戸棚の中を覗いた。
いつも好きなお菓子でいっぱいの棚の中は、不自然な程、空っぽだった

"お菓子がひとつも無い"


横では、お母さんが慌ただしく出かける準備をしている




華「お母さん出かけるの?お腹すいた~お菓子は~」


母「華那子、今からお母さん、学校に行かなきゃいけないから」


華「学校に何しに行くの?華那も一緒に行く」


母「来なくていい…
夜ご飯まで我慢出来るね?」





華那子は好き嫌いが多かった。いつも給食はほとんど残していた。だからおやつの時間は、華那子にとっては昼食みたいなものだった

本当はお腹が凄くすいていた、だけど笑顔で言った



華「うん。いってらっしゃい」



空から糸が伸びていて、頬を上から吊り上げられる
全く笑いたくもないのに笑っている


< 2 / 19 >

この作品をシェア

pagetop