透明な子供たち




重たい食卓の空気
会話もなく、テレビすらつけてもらえなかった。

しかし小学校低学年とは空気が読めないもので、華那子は平然と両親に訊く



華「何しに学校に行ったの?なんでお兄ちゃん怒られてるの?」



箸を止めた母と父は、顔を見合わせて言った



父「…秋良は友達の給食費を盗んだ。だから先生にも、お父さん達にも怒られたんだよ」


母「もし明日…学校で何か言われても、華那子は何もしてないんだから堂々としなさいね」





給食費を盗んだ…?

華那子は子供ながらに、自分の家はお金に困る要素は無いと知っていた

父は会社を経営しているし、住んでいる大きな家には使って無い部屋がいくつもある。
幼稚園の入学祝いには、グランドピアノを買ってもらった


欲しいものがあれば、お母さんとお父さんに言えば買ってもらえた…お金が欲しければ、お小遣い頂戴といえばいい。

なのに、どうして人の給食費なんて盗んだんだろう



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