透明な子供たち




父と母が寝静まった夜中、こっそり兄の部屋に向かった

小学3年生、まだ怖がりな華那子は夜中だとトイレに1人で行けなくて、よく兄を起こしてついて来てもらっていた。

そっとドアを開けると、兄はまだ起きていた
勉強机に向かっていた秋良は、キュルルと椅子を回転させドアに体を向けると優しい声で訊いた



秋「…トイレ?」



華那子はフルフルと首を振って否定しながら秋良の部屋の中に入る




秋「なんだよ?」


華「お腹すいてない?」


秋「…大丈夫」


華「給食費を盗んだって本当?どうしてそんなことしたの?」




秋良は何も言わずに俯くだけだった


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